未払いの養育費を強制執行で回収する方法

離婚後、養育費が支払われないことに悩んでいませんか。厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、元配偶者から養育費を受け取っている母子家庭は、わずか4世帯に1世帯だけです。多くの母子家庭世帯が、必要な養育費を受け取れていないのが現状です。

養育費の不払いを認めてはいけません!

離婚した相手が養育費を支払ってくれない場合は、相手の給料等を差し押さえて養育費を取り立てることが可能です。「絶対に養育費を支払ってもらいたい!」という方は、ぜひ参考にしてください!

離婚の調停や審判は家庭裁判所で手続きを行いますが、強制執行は地方裁判所へ申立てを行うことになります。差し押さえ(強制執行)を行うことで、強制的に養育費を確保できるかもしれません。

強制執行する前に確認しましょう

「養育費の強制執行」とは、離婚時の協議や調停、審判において公正証書や審判書によって定めた養育費が支払われなかった場合、「支払う義務のある人の財産を差し押さえて、強制的に支払いをしてもらうこと」を言います。まずは、差し押さえをする前に以下のことを確認しておきましょう。

  • 相手に支払い能力はあるのかどうか
  • 相手の現住所を把握している
  • 債務名義を持っている

相手の支払い能力について

相手が不払いが続いているということは、おそらく、取り決められた養育費の支払い期日を大幅に過ぎてしまっていることでしょう。その場合、考えられる理由としては、

  • 相手が養育費の支払いを忘れている
  • 相手が養育費の支払い拒否している
  • 相手が養育費を支払えるだけの余裕がない

という理由が考えられます。中には、「無職」と偽るクズ夫もいますので、最初からあきらめる必要はありません。

相手の現住所や勤務先を把握しておきましょう

元パートナーの現在の住まい、現在の勤務先の会社名や住所を把握する必要があります。もしもわからない場合は、住民票の調査から行う必要があります。ご自分で調査することが困難の場合は、弁護士の力を借りるのも一つの手段です。ご自身では把握ができなくても、弁護士に依頼をすると調査を行ってくれます。

債務名義が必要です

差し押さえには、「債務名義」(さいむめいぎ)が必ず必要になります。債務名義とは、請求権があること、債権者、債務者を表示した公の文書のことです。言い換えれば、「強制執行できる権利」を示した公的文書になります。債務名義とは、以下のような、公正証書による養育費を支払う旨の合意書や調停調書、審判書、判決文のいずれかを指します。

  • 協議離婚で作成する強制執行認諾文言付き「公正証書」
  • 調停離婚で作成される「調停調書」
  • 離婚審判で作成される「審判書」
  • 裁判時で作成される「和解調書」や「判決正本」

などがあります。

養育費を強制執行したらどうなる?

養育費の回収のために強制執行を行う場合には、どんなことができるのでしょうか。

  • 給与や預貯金を差し押さえることができる
  • 将来の養育費も差し押さえることができる

相手の給与や預貯金を差し押さえることができます

養育費の不払いによって、差し押さえする場合は、相手の給料または預貯金口座が対象になります。給料の差し押さえでは未払い分に加えて今後の養育費も差し押さえておくことができます。

また、令和2年4月1日に、養育費を強制的に回収する際、民事執行の手続きを定める民事執行法の改正法が施行されましたので、養育費を強制的に回収する手続きの効力が強まりました。

これまで「相手の銀行口座がわからない」「勤め先を知らない」と養育費の差し押さえをあきらめていた方も差し押さえができるケースもあるかもしれません。

将来の養育費も差し押さえることができます

強制執行を行う場合、未納の養育費に加えて、今後支払ってもらう予定の養育費も併せて差し押さえをすることができます。

すでに督促を行っても養育費を支払ってもらえない状態が続いているという現状で、併せてお子さまの未来のためにも手続きを行っておくことをおすすめします。

養育費確保の手続的な負担軽減の観点から、民事執行法の改正が行われ、平成16(2004)年4月1日より、養育費など扶養義務等に基づく定期的な債権について、相手方が期限の到来した分の養育費を支払わない場合において、その給料や賃料等を差し押さえるときには、将来の分についてもまとめて強制執行の手続をとることができるようになりました。

参考 厚生労働省「養育費の確保策」

養育費を強制執行する手順

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