過去の養育費を遡って請求する方法

離婚後、養育費をもらわずに一人で子どもを養ってきたものの、生活が厳しいので、元夫に養育費を請求したいと考えている方もいるでしょう。

今後の養育費だけでなく、過去の支払われていない養育費をまとめて請求することはできるのでしょうか?

過去の養育費については、請求すること自体はできます。お互いの話し合いにより、相手が支払いに応じてくれるのであれば、何ら問題ありませんが、話し合いがまとまらずに調停となると、離婚の際に養育費の取り決めをしているかどうかによって異なります。

養育費の取り決めをしていない場合

離婚時に養育費について取り決めをしていない場合、話し合いがうまくいかなければ、家庭裁判所に調停を申立てることになります。

養育費の取り決めをしていない場合の対処法

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過去の養育費についての判例は分かれており、一概には言えないのが現状です。養育費の請求には、大きく3つの考え方があります。

養育費の請求の考え方の違い

  • 請求をした時点から養育費が発生するとした場合
  • 養育費の請求をされなくても扶養義務が発生していたと考えられる場合
  • 家庭裁判所に調停又は審判の申立てをした時点で養育費が発生すると考えられる場合
  1. 請求をした時点から養育費が発生すると考えた場合、過去の養育費については支払いを命じないという判決がされることがあります。
  2. 扶養義務は、養育費の請求をされなくても発生していたと考え、過去の養育費の支払いを命じるという判決がされます。
  3. 家庭裁判所に調停又は審判の申立てをした時点で養育費が発生すると考えた場合、過去の養育費については支払いを命じないという判決されます。

家庭裁判所では、元夫婦の収入や資産、生活の状況、子どもの年齢や人数などの事情を考慮して判断することになります。つまり、過去の養育費の請求をすることはできますが、それが認められるかどうかは家庭裁判所の判断に委ねられるということになります。

養育費の取り決めをしていたが払ってもらえていない場合

離婚の際に養育費についての取り決めを交わしている場合は、契約した時点以降の未払いがすべて認められる可能性が高いです。

養育費の取り決めをしている場合(調停・審判・裁判など)の対処法

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養育費の請求権についてはなくなることはありませんが、民法によって「請求権の時効」が定められているので注意しましょう。離婚時に養育費についての取り決めをしているかどうかで、時効が発生するかどうかに違いがありますので、一度、確認をしておくと良いでしょう。

請求権の時効とは?

離婚協議書や公正証書で金額の契約を交わしている場合、その養育費請求権は5年で消滅します。一方、家庭裁判所の調停や審判で養育費を取り決めた場合は、10年でその権利が消滅すると定められています。このような養育費の時効のことを、「消滅時効」と言います。

未払いの養育費を請求するにあたり時効があります

養育費が請求できる期間には限りがあるのをご存じですか? 養育費の支払額や支払期日について具体的な取決めがある場合、時効の問題が発生しますので、十分に気をつけましょう。 未払いの養育費を請求できる期間に ...

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とにかく早めに行動を起こしましょう

養育費をいつまでさかのぼることができるのか、明確な基準がないため何とも言えませんが、どちらにしても、請求をした時点・調停を申立てた時点から認められることは確かですので、過去の養育費については一刻も早く行動を起こした方が良いでしょう。

養育費は、子どもの現在の生活のために必要なお金ですので、養育費の取り決めをしているにも関わらず、養育費が支払われず悩んでいる方は、すぐにでも弁護士にご相談することをおすすめします。

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